平成29年に、ワナクライという身代金要求プログラムが猛威を振るいました。
ワナクライに感染すると、パソコンに保存されているファイルが暗号化されて利用できない状態になり、デスクトップ画面には、ファイルを復元してほしければ身代金(仮想通貨)を支払うように指示する文章が表示されます。
身代金を支払ったところで、ファイルが回復するわけではないので、最悪の場合、事務所の全データが破壊されます。
対策としては、外付けハードディスク等に定期的にバックアップを取っておくほかありません。私の事務所では、ハードディスク2台に同じ内容を記録するミラーリングを行っていますが、それでもデータの破損が考えられるので、定期的にSSDにバックアップを取っています。
事務所によってはクラウドでファイルを管理されているかもしれませんが、弁護士は、前科、病歴、収入や出生の秘密等、機密性の高い情報を扱いますので、パスワードをかけていない生のファイルをクラウドにアップすることは非推奨です。
クラウドは間違いなく便利ですが、情報漏洩のリスクが高まることを十分に理解したうえで使用する必要があります。