弁護士業務を快適にするアイデア商品を探求する

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以下では、弁護士業務に貢献したアイデア文房具2点を紹介した後、私が製品化を待ち望んでいる商品3点を紹介します。

1. 弁護士業務に貢献した文房具アワード

(1) ニュークイン 預金通帳コピー台紙

ニュークイン 預金通帳コピー台紙 TKD001

最初にこの商品を見た瞬間、思わずうなりました。大変良く考えられた商品です。

前提知識として、法律事務所では、日常的に通帳をA4サイズの用紙にコピーします。

コピーした通帳の写しは、代金を支払った証拠として訴訟で提出したり、財産調査の資料として破産申立の際に提出したりします。

通帳を印刷する際は、見開きの通帳をA4サイズの用紙の中央に配置する必要がありますが、傾いたり、左右にずれたりして、きれいにコピーを取るのは結構大変です。

ニュークインのコピー台紙は、A4サイズの台紙の中央に通帳サイズの穴が空いており、そこに通帳を置くことで、素早く、かつきれいにコピーすることができます。

ニュークイン 預金通帳コピー台紙 TKD001
ニュークイン 預金通帳コピー台紙 TKD001

通帳のコピーは数十ページになることも多く、これまでは1ページ印刷するごとに位置の微調整が必要でしたが、本商品を使うことで、機械的にサクサクとコピーが取れるようになります。

また、傾いたり位置がずれたりすることがなく、「きれいにコピーが取れる」というのも地味に助かります。

管財業務では、通帳の写しを裁判所に提出する必要がありますが、きれいに整った通帳の写しが準備できると気持ちが良いものです。

この商品は、応用的な使い方も可能です。

私は、依頼者に通帳のコピーを送るように頼むことがありますが、送られてきた通帳の写しは、日付の部分が切れていたり、無理矢理2ページ分を押し込んであったり、文字が薄くて読み取れなかったりと、ダメ出しの連続です。

打ち合わせの際に依頼者にこの台紙を渡し、「これを使ってA4サイズでコピーしてきて」と頼むこともできそうです。

長く使っていると上下が反ってくるのが改善点ですが、高い物ではないので、当面の間は買い直して使う予定です。

シンプルだけれども誰も気が付かなかったこのアイデアは、大変素晴らしいと思います。

参考リンク:ニュークイン 預金通帳コピー台紙

(2) スリーエム メッセージポインター捺印用&記入用

ポストイット ジョーブ メッセージポインター
ポストイット ジョーブ メッセージポインター

最初にこの商品を見たとき、「これだ!」と思いました。

前提知識として、法律事務所では、依頼者に署名押印を求める機会が数多くあります。

委任状、陳述書、遺産分割協議書等、数え上げるときりがありません。

事務所で署名押印をしてもらう際は特に問題ありませんが、郵送でやり取りをする場合、依頼者に対する「的確な指示」が必要不可欠です。依頼者から返送されてきた書類に、捨印が押してなかったり、記入漏れがあったりすると、再度書類を取得することになるため、手続が遅延します。

更に厄介なのは、依頼者以外の第三者に署名押印をしてもらう場合です。

例えば、数次相続の案件で、多数の法定相続人に持分譲渡証明書を送付して返送を依頼することがありますが、返送されてきた書類に不備があった場合、再提出をお願いしても協力が得られないことが多々あります。

「ただでさえ面倒なのに、何度もやってられるか!」ということでしょう。

このような書類の取得は一発勝負の側面があり、的確に署名押印をしてもらえるよう非常に気を遣いますが、本商品はそうした場面でも活躍しそうです。

これまでは、署名押印してもらう部分に付箋を貼り、手書きで記載内容を書いていたのですが、本商品は最初から「ご記入ください」「ご捺印ください」と書いてあるため、貼るだけで済みます。また、色が鮮やかなので見落としも防げます。

かゆいところに手が届くアイデア商品だと思います。

参考リンク:スリーエム メッセージポインター 捺印用同 記入用

デメリットは、1枚約15円というコストです。法テラスの書類は署名押印欄が多く、全ての箇所にこの付箋を貼っていたら、あっという間に使い切ります。

私は、最初のうちは喜んで使っていたのですが、次第にコストが気になってきたため、シャチハタのスタンプを自作して代用することにしました。

シャチハタ Xstamper 一行印0860号(印面サイズ:8×60mm)
ご署名ください・ご捺印くださいポストイット

シャチハタやポストイットのサイズについては、以下の記事で紹介しています。

参考記事:弁護士のこだわり文房具7選

2. 私が製品化を希望する商品

この業界は、ただでさえ無駄な作業が多いので、上述したようなアイデア文房具が増えれば良いと思っています。

以下では、私が業務を行う際に、「こんなものがあったらいいな」と思っている商品を紹介します。賛同してくださる方や、ほかにもこんな商品があるといいな、と思われた方は、周りの方にシェアして頂けると嬉しいです。

(1) 切手の金種と枚数が表示されるはかり

たまに、その日のうちに発送しなければならない手紙が発生します。

夜11時過ぎに、手紙を封筒に入れて重さを量り、「どの切手の組み合わせが一番枚数が少ないかな」と考えて切手を選び、封をします。

一日の疲れで頭がぼんやりとする中、細かな表を見ながら金額を計算するのは非常に面倒です。しかも、「速達」「簡易書留」といったオプションサービスを付けた場合、計算が非常に複雑になります。

ここで登場するのが、切手の金種と枚数を表示してくれる「弁護士ばかり(仮称)」です。

多くの法律事務所が使用する封筒は、大(角2)と小(長3)の2種類しかありません。はかりには、封筒サイズを選択するボタンがあり、封筒サイズを選んで重さを量ると、モニターに

45グラム 合計94円(84円×1枚、10円×1枚

といったように、切手の金種が表示されます。

このくらいの計算だったら自分でできますが、このはかりの目玉は、弁護士がよく使うオプションサービスのボタンが付いている点です。例えば、上記郵便物に「速達」と「簡易書留」のオプションを付けた場合、モニターに

45グラム 合計704円(500円×1枚、120円×1枚、84円×1枚

と表示されます。

切手を選ぶという作業が減り、時間と労力の節約になると思うのですが、いかがでしょう。

なお、郵便料金は改定があるため、SDカードでプログラムの更新ができるようになっていると便利です。商品化に期待したいところです。

そもそも、郵便局が発売する切手の金種がおかしい!という点については、以下の記事で紹介しています。

参考記事:弁護士業務を妨げる不合理な制度や非効率なルール

(2) センシティブなお手紙集

私は、法律上の主張が難しくても、筋が通っていれば、無理を承知で交渉に臨むことが多いです。

例えば、民法改正により特別寄与料の制度ができましたが、以前は、姑の世話をしてきた嫁は本当に報われませんでしたので、法定相続人と交渉することがありました。

また、相続案件で、被相続人との関係性が薄かった人に相続分譲渡を依頼したり、遺留分を請求しないよう依頼したりしますが、これは今でもやります。

こうした交渉事案で悩むのは、最初の手紙に何を書くかです。

一通目の手紙で相手方が怒ってしまい、話し合いにならないケースがあります。相手方にしてみれば、「権利をただでよこせだと?ふざけるな!」ということでしょう。

残念なことに、 こうした手紙の文例を紹介した本がありませんので、出版してくださる方がいらっしゃれば、非常に嬉しく思います。

この種の手紙は、具体的な事情によって記載内容が変わってきますが、それでも、他の弁護士がどのように書くのか、どのような言い回しを使うのかがわかれば、非常に参考になります。

一点だけお願いしたいのは、一般の人が手に取らないようなタイトル、装丁にして欲しいということです。手紙を受け取った人が、「弁護士から手紙を受け取ったが、本の雛形を丸写ししただけじゃないか!誠意がない!」と激怒する姿が目に浮かぶからです。

最近は、交渉を経ずにいきなり裁判を起こす弁護士が多いようなので、そもそもこうした本に対するニーズがないのかもしれません。

売れない本を、より売れない形にして売って欲しいという、何ともわがままなお願いでした。

(3) 複数の印鑑をまっすぐきれいに押すグッズ

多くの法律事務所が困っているはずの、押印の話をしたいと思います。

前提知識として、法律事務所では、日々膨大な量の押印作業を行います。

裁判所に簡単な書面を提出するだけでも、送付書、準備書面、証拠説明書の6か所に押印する必要があり、弁護士数や副本数が増えると途方もない数になります。

書類作成時に頻繁に発生するのが、印影の傾きです。

傾いた印鑑の画像

弁護士が1人の場合は多少のごまかしが効きますが、問題は弁護士が多い場合です。

訴状の1枚目

最後の1人の印影が傾いた場合、その書面は破棄し、新しい書面に押印し直します。環境には悪いですが、1枚目は書面の顔に当たるため、やむを得ません。

二枚連続で押し間違えることも珍しくなく、最後は、「少し傾いているけど、許容範囲かな。」ということで書面が発送されます。

どこの法律事務所でも、複数の印鑑をまっすぐピシッと一直線に並べたいと思っているはずですが、これを叶える方法は未だ見つかっていません。大きい事務所でも、結構押印がバラついていたりします。

私もお手上げです。

例えば、専用ボードの上に書面を置き、印鑑に内蔵されたチップが水平垂直を判断してランプを点灯させる、といったことは技術的には可能ですが、専用のボードと印鑑が必要な時点で、誰も使わないと思います。

シンプルかつ低コストであれば文句なしです。

この問題を解決された方には、是非一儲けして頂きたいと思います。頭の体操にどうぞ。

(4) 小括

ほかにも「こんなものがあったらいいな」 と思っている商品はたくさんあるのですが(例えば、所外の弁護士と共同で受任する場合に、簡単かつ安全に利益相反がチェックできる「利益相反チェッカー」等)、退屈な話なので、このくらいにしておきます。

それにしても、預金通帳コピー台紙のシンプルなアイデアは素晴らしいと思います。今後も、「なるほど!」と唸らせるような商品が数多く現れることを願っています。

3. 本ページで紹介した商品

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