【弁護士の服装術 #4】小物類について

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1. ネクタイ

安物のネクタイはすぐにわかるので、それなりの値段のものを着けるべきですが、かと言って、ブランドロゴが全面にあしらわれている物は品がありません。センスに自信がない人は、ハイブランドの小紋か無地を選ぶと良いと思います。

弁護士は依頼者と会食する機会が多く、気が付かないうちにネクタイにシミができていることがあります。クリーニング店でシミ抜きをして、汚れが落ちなければ処分です。これまでに、使い始めた初日に汁が跳ね、処分したネクタイがありました。今日の会食は危険だなと思った場合、ネイビー等の濃い色のネクタイをすると、汁が飛んでも目立ちません。

使用頻度が高いネクタイは、最初に剣先の角が擦れてきます。そのまま使うのは見苦しいので、専門店に補修を依頼します(修理代は3000円台です)。また、通常よりも長いネクタイは、結んだ際の長さ調整が難しく、何度も結び直すことがあるので、専門店で長さをカットします。

2. タイピン

(1) タイピンは必要か

ファッション誌を読んでいると、タイピンはしない方が良いという記事を見かけることがありますが、私はタイピンの使用をお勧めします。

弁護士は、机の上に分厚い事件ファイルを積み重ね、次々と目を通していくわけですが、タイピンをしていないと、ページの間にネクタイがペロンと挟まって、ほかのファイルと置き換えるときに首が引っ張られたりします。また、仕事をしながら机で食事をすることがよくありますが、タイピンがないと、ネクタイが汚れないように余計な気を遣います。

シャツのポケットと同様、タイピンは実用性の観点から必要です。

(2) お勧めのタイピン

私がタイピンに求める要件は以下の2点ですが、これらを満たすタイピンはほとんどありません。

  1. シンプルかつ上品
  2. ブランドロゴがあしらわれていない

以前、タイピンを購入しようと思い、インターネットで膨大な量のタイピンを見て回ったのですが、最終的に残った候補は、タテオシアンのネクタイピンと、楽天で販売されている980円のタイピンの2本だけでした。

結局、タテオシアンのネクタイピンを買ったのですが、非常に良かったのでご紹介します。

TATEOSSIAN タテオシアン シルバーネクタイピン

タテオシアンは、世界的に有名なタイピン・カフス専業メーカーで、シンプルでオーソドックスなデザインのものが多く、ブランドを前面に強調しない姿勢も好感が持てます。私は、タテオシアンのカフスやストラップも使っていますが、素材が良質で、デザインも洗練されています。

TATEOSSIAN タテオシアン カフリンクスとストラップ

さて、本題のタイピンですが、シンプルですが品があり、作りがしっかりしています。都内のデパートを巡っても、ブランドロゴがデカデカと入った品のないタイピンしか売っていないので、こうした良品と巡り合うと非常に嬉しくなります。

気に入ったので、追加でロジウム(シルバー)ガンメタリックの2本を購入しました。

ガンメタリックもシルバーに近い感じで、違和感がありません。濃い色のネクタイにシルバーのタイピンを付けると、タイピンが傾いたときに目立ちやすいので、濃い色のネクタイにはガンメタリックのタイピンを使用しています。

TATEOSSIAN タテオシアン シルバーネクタイピン

ロジウム(シルバー)は汎用性が高く、プレゼントにもお勧めです。

TATEOSSIAN
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3. 革小物について

(1) お勧めの素材はボックスカーフ

革製品は様々な素材があり、代表的なものは、カーフ、リザード、クロコダイルです。カーフが一番安く、希少性が高いリーザード、クロコの順に高くなります。世の中では、クロコダイルが高級品とされ重宝されていますが、私はカーフこそが最もすばらしい革素材であると考えています。

革製品3種類
(左から、カーフ、リザード、クロコダイル)

多くの場合、革靴はカーフですから、革靴、ベルト、名刺入れ、財布と鞄を全てカーフでそろえると、統一感のあるコーディネートになりますし、非常に上品にまとまります。

私は、弁護士は主役ではなく、依頼者の黒子だと思っているので、弁護士自身がギラギラとした派手な格好をすることを好みません(クロコダイルやリザードで固めると、どうしてもギラギラしてしまいます。)。

A社とB社が裁判紛争になった場合に、弁護士業界では、C事務所とD事務所の争いだと言いますが、世の中はそうは見ていません。企業にしてみれば、弁護士はあくまでも代替可能な駒に過ぎないのであって、単なるコンサルタントです。

弁護士は、専門家、コンサルタントとして、目立たないけれども品がある、落ち着いた身だしなみをしたいものです。

(2) お勧めのブランド

私が、財布や名刺入れ等の革小物に求めるのは、以下の3つの条件ですが、 これらを満たすものほとんどありません(特に3)。

  1. 上質なカーフ素材
  2. シンプルでオーソドックスなデザイン
  3. ブランドロゴが付いていない(目立たない)

残念ながら、現行品で紹介できる物が存在しないため、お勧めのブランドだけ紹介しておきます。

私の要求を満たしてくれる数少ないブランドの一つが、フランスのカミーユ・フォルネです。同社の商品は、デザインがオーソドックスで、使用している革も非常に上質です。ブランドを前面に出さない姿勢も好感が持てます。

カミーユ・フォルネのほかはエルメスで、デザインは玉石混淆ですが、使用する素材は間違いなく最高です。特にボックスカーフ製品は大変素晴らしく、他社の追随を許しません。このメーカーにしか作れない物があると思います。

エルメスの名刺入れ
(名刺入れ)

弁護士手帳とエルメスのカバー
(弁護士手帳のカバー)

エルメス サックアデペッシュ
(鞄。HERMÈS SAC À DÉPÊCHES 41 CALF BOX LEATHER)

ロエベとフェラガモも、上質な革をふんだんに使用した製品がありますが、ほとんどの製品にブランドロゴが入っているので、私はあまり使用しません。

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