弁護士口座と預り金口口座は早めに準備(振込先を後から変更するのは大変)

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1. 弁護士口座の必要性

弁護士業務に欠かせないものの一つが、弁護士口座と預り金口口座です。

個人受任が禁止されている場合でも、弁護士口座は作っておいた方が便利です。国選弁護や法律相談の入金がありますし、友人の電話相談に乗っていたら、どうしてもお礼を支払わせて欲しい、と言われることもあります。

国選弁護や法律相談料の振込先を一度登録すると、後から変更するのは結構大変ですので、弁護士登録後すぐに口座を作っておくことをお勧めします。

みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行は、いずれも口座管理手数料が無料で、身分証と印鑑があれば口座を開設できます(令和3年4月現在)。登録住所は事務所の住所ではなく個人の住所になるので、開設の際に必要となる身分証は、弁護士身分証ではなく運転免許証等です。

銀行によっては、口座開設時に最低1000円を預金するように言われますが、キャッシュカードができたら出金し、残高を0円にしておきます。後から入出金の整理をしやすくするためです。

預り金口口座は 、メガバンク3社とりそな銀行の口座が多い印象です。預り金口口座は、所属弁護士会への届出が義務付けられましたので、届け出を忘れないようにしましょう。

ちなみに、ゆうちょ銀行の総合口座は、口座名義に「弁護士預り金口」が付記できないのでお勧めしません。

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2. 業務によってはゆうちょ銀行口座が必要となる

遺言執行や財産管理業務を行っていると、預貯金の換価手続を行う機会がよくありますが、ゆうちょ銀行は、払戻金の振込先を自行の口座に限定し、他行への振込を認めていません。

そのため、ゆうちょ銀行の口座を持っていない場合、払戻金を現金で受け取ることになるため(正確には預金払戻証書)、数百万円の札束をビクビクしながら持ち帰ることになります。大金を運搬するのは非常に気を遣いますので、個人名義のゆうちょ銀行口座を用意しておき、振込手続を利用した方が便利です。

ちなみに、振込先をゆうちょ銀行口座に限定するという同行の運用には合理性がなく、単なる殿様商売の名残だと思いますので、改善を求めたいところです。

3. ウェブサービスを使い倒すには野村信託銀行の口座が必須

郵便料の電子納付や登記事項証明書のオンライン請求など、法律事務所にとって便利なウェブサービスが増えてきましたが、クレジット払いに対応していないサービスについては、銀行振込が必要になります。

銀行振込の最大のデメリットは振込手数料が発生することですが、野村信託銀行に口座を開設すると、月10件まで振込手数料が無料になります(令和3年4月現在)。

法律事務所では、不動産登記や法人登記を日常的に取得しますが、その度にATMで支払を行っていたのでは仕事になりません。銀行振込を利用しつつも、振込手数料を節約したい方にお勧めです。

ちなみに、現在は裁判所に印紙と郵券を納めていますが、将来的に印紙と郵券は手数料に一本化され、ペイジーを利用して納付するようになります。

多くの方はネットバンキングを介してペイジーを利用すると思いますので、ネットバンキングの開設は不可避です。

参考リンク:野村信託銀行(公式)

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4. トレンドとして知っておきたい仮想通貨口座のイロハ

一時期、仮想通貨関連の事件が急激に増えました。

民事訴訟において、これまでは代金支払の証拠として領収書やATMの利用明細票を提出していたのですが、依頼者から、仮想通貨ウォレットの画面を印刷した紙を証拠として渡されることがあります。何もわからないまま、そんなものかと思って裁判所に証拠提出すると、裁判官に釈明を求められて赤恥をかきます。

この種の事件に興味がある方は、自分の仮想通貨口座を開設し、実際に送金手続を行ってみることをお勧めします。

仮想通貨の送金は、実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。

例えば、仮想通貨は、送金先のアドレスを1文字でも間違うと、多くの場合、送金した仮想通貨が消滅します。そのため、仮想通貨の送金の際は、最初に少額のテスト送金を行ったり、何度かに分けて送金することが一般的です。

依頼者がテスト送金もせずに、いきなり2000万円分の仮想通貨を送金していた場合、「おや?」と違和感を感じるべきであり、振込の経緯や、一度に送金した理由を聴取することになります。

また、例えばビットコインの振込先は、30文字前後の英数字であり、銀行口座のように電話で伝えることが困難なため、受取人が送金者に対し、事前にメールやSNSで振込先を伝えているはずです。依頼者と相手方との事前のやりとりがあると考え、そうしたやり取りの内容についても聴取することになります。

読んでもピンとこないと思いますが、百聞は一見にしかずです。実際に口座を作って、手を動かしてみると勉強になります。

仮想通貨を扱っている人は、弁護士にもそれなりの知識を求めて来ますので、「ウォレットって何?」などと言っていると、依頼者は他の事務所に行ってしまいます。

この種の事件の大部分は、回収不能の詐欺事件ですが、単発の法律相談でもよく出てきますので、興味がある方は勉強しておくと良いと思います。

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